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県知事選候補者公開アンケート

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吉川春子氏からの回答

  •  学童保育の発展のために日々、ご尽力いただいている貴組織に敬意を表します。まず、この問題についての私の立場を述べさせていただきます。
     学童保育事業は、学齢前の保育所制度が、勤労家庭の労働を守り、その子どもたちの命と生活を守り成長を促す場であるのと同趣旨の事業であり、その意味では本来、公的に保障されるべき事業です。国も1997年に児童福祉法上に法制化しましたが、「6条の2−事業」という法的位置づけの問題、「最低基準」を設けていない問題、現行施策・補助が現場の実態と大きく乖離している問題など、国において解決すべき課題は山積しております。同時に、自治体は、正当かつ公正な住民要求を地域において実現する役割を担っており、国の制度・施策の不備を補うことを要請されています。1972年から20年続いた埼玉の革新県政はこの立場に立って、学童保育の単独施策の開始など先駆的な役割を果たしてきました。この立場から私も、県として必要な制度・施策を展開していきたいと考えます。
  • 回答1 女性の社会進出に加えて、賃金低下等の雇用・労働環境の悪化、児童の地域生活においての安全確保の必要などを背景に、学童保育に対するニーズは急増しています。学童保育施設を必要とする児童と家庭のために、そのニーズに合わせて整備を図ることは当然ではないでしょうか。また、生活の場である学童保育において適正な規模を維持することは大事なことです。学校教育においても40人学級の縮小が進みつつあります。県が策定した「放課後児童クラブ運営基準」でも、適正規模は40人と明記しています。実施主体である市町村に「運営基準」のこの内容をきちんと周知することと併せて、県としては複数箇所に対応した運営費補助を確保していきます。
  • 回答2 学童保育のような公的性格の強い施設の基盤整備は、行政が責任を負うべきです。また、現在の施設・設備の貧しさは、国において「最低基準」を定めず、自治体まかせにしていることに起因しています。現在、国がすべての小学校区に整備する目標を立てて、補助も一定額を確保して進めようとしていることは評価できます。しかし市町村は、国の「三位一体改革」の影響を受けるなどして財政が厳しいなかで、施設整備の初期費用に加えて毎年度の運営費を負担することに躊躇しています。市町村の整備を促す意味からも、現在の学校余裕教室改造予算に加えて、単独施設整備に対する助成を設けるのは当然必要だと考えます。
  • 回答3 一部の自治体を除いて学童保育の運営は大変厳しい状況と聞いています。3年で指導員の半数が入れ替わるという現実がそのことを物語っています。県は、革新県政時代に国に先駆けて、指導員の人件費を中核とした単独補助事業を実現し、現場と市町村を支援してきましたが、1997年度の法制化以降、県独自施策の部分についての改善が滞っていると聞きます。国の施策・補助の改訂を待つことなく県施策を改善すべきです。そのことと関連して学童保育も含めた福祉関係予算、児童関係予算の抜本的拡充が求められています。2004年度予算において県予算全体に占める児童福祉費の割合は2.5%程度であり、不要不急の予算を精査する中で、児童福祉のための予算をもっと拡充する必要があると考えます。
  • 回答4 障害のあるなしに関わらず全ての子どもたちが地域社会の中で共生することが、望ましい姿だと思います。ハンディのある人たちが普通に生活するためには、ハンディを埋める手だてを講ずることが必要です。そのことを保障する責任は公、つまり、国・自治体にあります。そういう面で、学童保育に入所する権利を持ちながら障害があるが故に受け入れられない状況は正される必要があります。障害児を受け入れるためには、職員の加配が当然必要になります。障害の程度にもよりますが、「障害児6人で2人の職員配置」はおよそ現実的でなく、改善をはかるべきです。
  • 回答5 養護学校児童生徒の生活やその家庭の状況を考えたとき、放課後及び長期休暇中の生活の場を社会的に保障していく必要があります。県がここに着目して施策を開始したことは先見性がありました。この分野についても国の制度確立を進めることが急務です。質問事項にある@保護者の過度な保育料等の負担A施設整備についての公的支援がない等の問題は社会的に解決されるべきです。県として、公的補助を質量ともに拡充をすること、具体的には、職員配置基準の改訂、補助単価の改訂に加えて、施設整備補助の新設などが必要と考えます。
     施設整備を利用者である保護者に負担をかぶせるのはあまりにも過酷です。「公立高等学校を改修して新設養護学校を建設するこの機会に障害児学童保育を併設したらどうか」とのご提案については大いに検討に値すると思います。教育局との連携が必要ですが、通常学童保育が学校施設を使用している事例を研究しながら、県段階においても実現したいと考えます。
  • 回答6 子どもたちの生活にとって、放課後に仲間たちと過ごす時空は、学校教育におけるそれとは異なる意味で極めて貴重です。この度の国の新たな方針である「放課後子どもプラン」は、ここに着目して公的に力を入れようという点では評価したいと思います。
     ただ、放課後の生活を豊かにするしくみは、文部科学省などが上から指導して形成されるものではありません。子どもと親、学校、地域の方々の創意工夫を大事にしながら進めることがカナメです。このプランの実施主体は市町村ですが、現場の実態や声を聞きながら進める方向で県としても支援したいと考えます。また、「放課後児童クラブ」と「放課後子ども教室」は対象も目的も異なるもので、一部の県には両事業を当事者の声を置き去りにして一体化してしまう動きがあることは賛成できません。県としては、上手に連携できている事例を集めて市町村に普及するなどの役割を果たしていく必要があると考えます。
  • 以上をもって回答といたします。