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参考資料

【学童保育をめぐる状況と課題・問題】

学童保育(行政施策の名称は「放課後児童健全育成事業」)は、1960年代の高度経済成長に伴い、急速に都市化が進み核家族が増え、また地域・子育て環境も悪化する中で、「働き続けながら子どもを安心して育てたい」と願う共働き・母子・父子家庭の父母の願いから誕生しました。その後の私たちの運動の結果、60年代後半からいくつかの自治体が、学童保育の公的役割を認め、国に制度がない中でも、事業を実施したり補助を開始しました。

そして、1973年、私たち学童保育関係者の願いに応えて、全国に先駆けて、当時の県知事のもとで「県学童保育運営費補助金」事業(現在は「県放課後児童健全育成事業」に名称変更)が開始されました。これがきっかけとなり、父母たちの運動とも相まってさらに多くの自治体が施策を持つようになりました。そして今日では、1973年当時県内全体で学童保育の概要は、20自治体に53ヶ所、入所児童 1,219人であったものが、71自治体に798ヶ所、児童数39,677人にまで達し(2006年4月、弊協議会調査)、共働き・母子・父子家庭の子どもたちの放課後の生活にとって必要不可欠な場として、また地域の子育て環境の一つとして広く定着してまいりました。

埼玉県はその後も、障害児の受け入れ施策の発足、養護学校学童保育施策の発足等をすすめ、2004年3月には、全国に先駆けて、学童保育の保育内容と施設等に関しての最低基準ともいえる「埼玉県放課後児童クラブ運営基準」(※以下、「県運営基準」)を策定しました。2005年度からは、次世代育成支援対策推進法にもとづく「埼玉県子育て応援行動計画・埼玉県子育てコバトンプラン」をスタートさせました。

しかし、全体として公的施策が充分でないために、学童保育は、様々な課題・問題をかかえています。

  1. すべての小学校区に対応するだけの学童保育がない(※小学校831校中829ヶ所、設置率=99.8%。学童保育数は弊協議会調べ)。
  2. 生活の場にふさわしい施設・設備となっていない学童保育が多数ある。特に、集団活動の適正な規模を著しく越えた「大規模化」が目立っている。
  3. 子どもの生命と生活を守り親たちの生活を支援する指導員の雇用・労働条件が安定したものとなっていない。
  4. 必要としているにもかかわらず入所できない児童(障害児、高学年、低学年でも待機児)がいる。
  5. 大多数の民間(共同)学童保育が厳しい財政運営を余儀なくされている。
  6. 障害児学童保育(養護学校放課後児対策事業)は、運営が安定しないため保護者の負担が大きい。
  7. 今年度から開始された「放課後子どもプラン」について、一部地域やマスコミ等では、文部科学省の「放課後子ども教室推進事業」と厚生労働省の「放課後児童健全育成事業」との2つを「一体化」「統合化」することを推奨する流れがある。
 などです。

こうした状況を解決・改善するために、私たちはこれまで県に対して

  1. 1ヶ所当たりの補助基準額を増額してほしい。
  2. 学童保育の専用施設を確保するために、県として施策を講じてほしい。また、国庫補助「児童厚生施設等整備費」を予算化してほしい。
  3. 障害児が複数入所している学童保育に対しての補助を実態に見合ったものに改善してほしい。
  4. 養護学校学童保育(養護学校放課後児童対策事業)について、補助基準額の増額や指導員1人当たりの児童数の緩和等施策改善を進めてほしい。
  5. 「放課後子どもプラン」の具体化に当たっては、「放課後子ども教室推進事業」と学童保育事業(放課後児童健全育成事業)の「一体的」ではなく、それぞれの事業がその目的・役割にそって拡充され連携が図られるように。
 などを要望してきました。

埼玉県が、“学童保育先進県”を自負し、その発展のために今日までご尽力されてきたてことに対して改めて敬意を表するものです。しかし、実態からするとさらに制度・施策の改善が必要であり、その意味から、今回の知事選挙に大変大きな関心を持っています。