放課後児童クラブ運営指針

第1章 総則

1.趣旨

  1. (1)この運営指針は、放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準(平成26年厚生労働省令第63号。以下「基準」という。)に基づき、放課後児童健全育成事業を行う場所(以下「放課後児童クラブ」という。)における、子どもの健全な育成と遊び及び生活の支援(以下「育成支援」という。)の内容に関する事項及びこれに関連する事項を定める。
  2. (2)放課後児童健全育成事業の運営主体は、この運営指針において規定される支援の内容等に係る基本的な事項を踏まえ、各放課後児童クラブの実態に応じて創意工夫を図り、放課後児童クラブの質の向上と機能の充実に努めなければならない。

2.放課後児童健全育成事業の役割

  1. (1)放課後児童健全育成事業は、児童福祉法(昭和22年法律第164号。以下「法」という。)第6条の3第2項に基づき、小学校(以下「学校」という。)に就学している子ども(特別支援学校の小学部の子どもを含む。以下同じ。)であって、その保護者が労働等により昼間家庭にいないものに、授業の終了後(以下「放課後」という。)に児童厚生施設等の施設を利用して適切な遊び及び生活の場を与え、子どもの状況や発達段階を踏まえながら、その健全な育成を図る事業である。
  2. (2)放課後児童健全育成事業の運営主体及び放課後児童クラブは、児童の権利に関する条約の理念に基づき、子どもの最善の利益を考慮して育成支援を推進することに努めなければならない。
  3. (3)放課後児童健全育成事業の運営主体及び放課後児童クラブは、学校や地域の様々な社会資源との連携を図りながら、保護者と連携して育成支援を行うとともに、その家庭の子育てを支援する役割を担う。

3.放課後児童クラブにおける育成支援の基本

(1)放課後児童クラブにおける育成支援

放課後児童クラブにおける育成支援は、子どもが安心して過ごせる生活の場としてふさわしい環境を整え、安全面に配慮しながら子どもが自ら危険を回避できるようにしていくとともに、子どもの発達段階に応じた主体的な遊びや生活が可能となるように、自主性、社会性及び創造性の向上、基本的な生活習慣の確立等により、子どもの健全な育成を図ることを目的とする。

(2)保護者及び関係機関との連携

放課後児童クラブは、常に保護者と密接な連携をとり、放課後児童クラブにおける子どもの様子を日常的に保護者に伝え、子どもに関する情報を家庭と放課後児童クラブで共有することにより、保護者が安心して子どもを育て、子育てと仕事等を両立できるように支援することが必要である。また、子ども自身への支援と同時に、学校等の関係機関と連携することにより、子どもの生活の基盤である家庭での養育を支援することも必要である。

(3)放課後児童支援員等の役割

放課後児童支援員は、豊かな人間性と倫理観を備え、常に自己研鑽に励みながら必要な知識及び技能をもって育成支援に当たる役割を担うとともに、関係機関と連携して子どもにとって適切な養育環境が得られるよう支援する役割を担う必要がある。また、放課後児童支援員が行う育成支援について補助する補助員も、放課後児童支援員と共に同様の役割を担うよう努めることが求められる。

(4)放課後児童クラブの社会的責任
  1. ① 放課後児童クラブは、子どもの人権に十分に配慮するとともに、子ども一人ひとりの人格を尊重して育成支援を行い、子どもに影響のある事柄に関して子どもが意見を述べ、参加することを保障する必要がある。
  2. ② 放課後児童クラブの運営主体は、放課後児童支援員及び補助員(以下「放課後児童支援員等」という。)に対し、その資質の向上のために職場内外の研修の機会を確保しなければならない。
  3. ③ 放課後児童支援員等は、常に自己研鑽に励み、子どもの育成支援の充実を図るために、必要な知識及び技能の修得、維持及び向上に努めなければならない。
  4. ④ 放課後児童クラブの運営主体は、地域社会との交流や連携を図り、保護者や地域社会に当該放課後児童クラブが行う育成支援の内容を適切に説明するよう努めなければならない。
  5. ⑤ 放課後児童クラブ及び放課後児童クラブの運営主体は、子どもの利益に反しない限りにおいて、子どもや保護者のプライバシーの保護、業務上知り得た事柄の秘密保持に留意しなければならない。
  6. ⑥ 放課後児童クラブ及び放課後児童クラブの運営主体は、子どもや保護者の苦情等に対して迅速かつ適切に対応して、その解決を図るよう努めなければならない。